中部高等学術研究所について
中部高等学術研究所は、1996年に大学直属の研究所として、また私立大学ではわが国初の大学共同利用研究所として設置された。以来「学問の再構築」を目的とした文系・理系の枠にとらわれない共同研究拠点として活動を行い、学内のみならず国内外の多くの学外研究者が研究活動に関与してきた。これまで、「アジアにおける伝統文化」、「人間安全保障」、「学問の再構築:はかる」、「高等教育を考えるーアウトカムズを中心に」等をテーマとして共同研究が行われた。その成果は、ユネスコ大学連合共同研究賞の受賞(2003年)、「<はかる>科学」(2007年 中公新書)や「変容する現代の大学教育を考える」(2012 風媒社)の上梓に繋がった。
2007年より新しいテーマとして、「持続可能な発展のための教育(Education for Sustainable Development :ESD)」を取り上げ、この活動を中部大学の一つの核とすべく2009年に「国際ESDセンター」(2019年より「国際ESD・SDGsセンター」に改名)を研究所の附置センターとして開設した。更に2011年には、地理情報システム(Geographic Information System :GIS)の研究推進拠点として「国際GISセンター」を附置センターとして開設した。このセンターは、2014年に文部科学省 より共同利用・共同研究拠点として認定された。2018年には「持続発展・スマートシティ国際研究センター」が三つ目の附置センターとして設立された。中部高等学術研究所は、「持続可能な発展」が21世紀の人間社会の基本的な価値観になるとの認識に立ち研究を展開している。
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所長挨拶
- 中部高等学術研究所 所長 福井 弘道
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中部高等学術研究所(中高研)は、1996年の設立以来、「学問の再構築」を目標に「文理融合・知の統合」を旗印とし、学内外の多様な研究者が参加した特色ある共同研究拠点として活動しています。現在は、有機的に連携する「国際ESD・SDGsセンター」と「国際GISセンター」、「持続発展・スマートシティ国際研究センター」の三つの付置センターを有します。国際GISセンターは2026年3月まで「問題複合体を対象とするデジタルアース共同利用・共同研究拠点」として、文部科学大臣から継続認定されています。
地球温暖化やエネルギー問題、複合広域災害など、人類社会の発展に伴い生起したリスク事象は、複数の学術分野を横断する問題複合体です。その解題にあたっては、現在の科学が抱える不確実性や不完全さを十分認識した上で問題の全体像を描くと共に、どのような社会を望むかといった価値観や倫理観も求められます。中高研が目指す知の統合は、科学的な專門知のみならず、市民による集合知も含まなければならないでしょう。社会の構成員が具体的な実証データをもとに、持続可能な社会の構築のために取り組むことができるプラットフォームの実現を具体的に考えていきたいと思います。
学内外、国内外との一層の共同研究を推進するため、皆様のご支援、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
研究所情報
- 研究所名
- 中部高等学術研究所
- 所在地
- 〒487-8501 愛知県春日井市松本町1200
- 設立年月日
- 1996年4月1日
- 所長
- 福井 弘道(中部高等学術研究所 教授)